今日もお疲れ様です。ざっくです。
今回は元公務員である私からみた「公務員が中小企業診断士を取得するメリットとその実態」について話したいと思います。
・公務員が中小企業診断士を取得するメリットってあるの?
・公務員として中小企業診断士を取得した後は実際どうなるんだろう?
こんな疑問の抱えている方のお力になれたら幸いです。
<この記事の内容>
・公務員が中小企業診断士を取得するメリットはある
・ただし、中小企業診断士の資格を直接的に活かし続けるのは難しい
・中小企業診断士を取得する目的を明確にすべき
結論からいうと、公務員でも中小企業診断士を取得するメリットは十分にあります。ただ中小企業診断士の資格を十分に活かすには公務員という立場上、どうしても限界があると考えます。
中小企業診断士の資格をどう活かしたいかなど、まずは資格を取得する目的を自分なりに決めることが大事だと思います。
それではここから詳しく話していきたいと思います。
<公務員が中小企業診断士を取得するメリット>
それではまずは公務員が中小企業診断士の資格を取得するメリットについて話していきます。
・中小企業診断士の知識を活かして自治体の強みを分析した施策立案ができる
・産業振興部署への配属されたときに中小企業の経営者の現状を理解できる
このあたりは他のブログでも書かれていたりするのでイメージしやすいかと思います。
中小企業診断士として経営理論やマーケティングを学ぶと「強みを活かすこと」「差別化をすること」といった知識を学ぶことができます。
ひと口に「公務員」と言っても自治体によって持っている強みや地域性などは異なります。中小企業診断士の知識を得ると、今まではただ「何か良い施策はないか」と考えるだけであったのが「他の自治体と比較すると、当自治体が持っている強みと資源はこれだから当自治体にはこういった施策が適している」と考えられるようになります。
また、産業振興部署へ配属されたときには、自治体内の中小企業の経営者の方とお話をする機会が発生するため、そのときに中小企業の財務諸表や強み・弱みを見ることができ、より深い話が中小企業の経営者の方とできると言えます。
このように中小企業診断士の知識を日々の業務で活かすことができる場面は多々あるため、公務員といえど中小企業診断士を取得するメリットがあるといえるのではないでしょうか。
<公務員の現場での実態>
ここからは中小企業診断士を取った場合でも公務員として避けられない現場の実態についてお話をします。
・公平性や癒着などの観点から個別の中小企業の支援は深くできない
・中小企業支援がずっとできるわけではく、単なる自己啓発で終わってしまう可能性あり
これらは私が公務員として勤めていた時に感じたことになります。
まずは個別の中小企業の支援は深くできない、という点になります。中小企業診断士として中小企業の支援をさせていただくことが多くなってくると、自身のことを好意に思ってくれる企業の経営者の方もいらっしゃいます。
ただ、公務員という立場上、公平性を担保するためにも、ある特定の企業のみを優先して支援したり、ある特定の企業のみが優位になる施策立案をしたりすることはできません。
自身のことを好意に思っていただいた中小企業の方のために、どっぷり中小企業支援に浸かりたい方にとっては少し歯がゆい思いを感じるかもしれません。
また、自治体によって多少程度の差はあるかもしれませんが、公務員である以上、人事異動は避けられません。
おそらくこの記事をご覧になられているあなたは、中小企業診断士の取得に興味を持つなど仕事に対してとても前向きに考えており、とても優秀な方だと思います。
自治体によっては産業振興部署のみの異動となるような専門コースがあったりするかもしれませんが、私の経験上、公務員において優秀な方は人事部署や財政部署に回されがち、という印象があります。
そのため、中小企業診断士の資格を取得して中小企業支援のスペシャリストとなっても、優秀なあなたはいずれ人事部署や財政部署に異動することになり、中小企業支援をずっと続けることは難しいのではないかと考えられます。
一方で、自治体としては優秀な方には自治体全体を見る力を身に付けてほしいという思いから、あなたのような人材には人事部署や財政部署を経験してほしい、という思いがあることも、組織として当然のことと思います。
どちらが良い悪いというわけではなく、自治体側の都合として上記のような人事異動が避けられないことは、中小企業診断士の資格を取る際には知っておいた方がいいかもしれません。
このように公務員が中小企業診断士の資格を直接的に活かせる仕事のみに従事し続けることは難しいため、結果として中小企業診断士の取得が単なる自己啓発で終わってしまう可能性があるのではないかと思います。
<中小企業診断士を取得するのであれば目的を明確にすべき>
ここまで公務員が中小企業診断士を取得するメリットや実態についてお話してきましたが、「じゃあ結局どうすればいいの?」という疑問に対する私なりの考えを書きたいと思います。
・転職、地域貢献、自己啓発、出世など中小企業診断士を取る目的を明確にする
せっかく中小企業診断士を取得したのに全く役に立たなかった、というようなギャップをなくすためにも資格を取得する目的を明確にすることが大事かと思います。
中小企業診断士を取って転職したいのか、自治体の許可の範囲内で副業がしたいのか、仕事以外にもNPO法人などに所属して地域に貢献したいのか、公務員としてのスキルアップと出世をしたいのか。理由は人それぞれかと思いますが、自身が中小企業診断士を取得する目的は明確にしておきたいですね。
ちなみに私の場合は「中小企業支援の専門家として仕事をしたい」という思いから中小企業診断士の勉強を始めたので結果として「転職」という選択をしました。
私が公務員を辞めた理由については、こちら(【公務員を辞めたいあなたへ】なぜ私が公務員を辞めたのか)でも書いていますので、もしよろしかったらお読みいただけますと幸いです。
中小企業診断士を取得する理由に、正解や不正解はありませんが、「自分はなぜ中小企業診断士を取得したいのか」はできるだけ時間を取って自分と向き合うことをオススメします。
<おわりに>
以上になります。いかがでしたでしょうか。
中小企業診断士を取得するメリットや実態について私の経験をもとにお話をしてきました。
私自身は中小企業診断士という資格を取得して、様々なコミュニティに参加したり仕事だけでは交流することができなかった方と交流できるようになるなど、とても貴重な経験ができています。
ただ、それと同時に副業規定などで思うように中小企業診断士として活動ができず、葛藤を抱えたりすることもあります。
これから中小企業診断士の取得を考えている方が、この記事で少しでもそういった中小企業診断士の取得前後でギャップや葛藤を抱えないようになれたら幸いです。
それでは、また。
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